人手不足

介護業界における人手不足解消のための外国人労働者

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
介護業界における人手不足解消のための外国人労働者

介護データ・用語定義

この記事の中で扱う数字や用語の説明です。

介護データ

37.7万人
2025年に不足する介護人材
2025年に向けた介護人材にかかる需給推計(確定値)について(厚生労働省)
3,800人
過去9年間で受け入れた外国人の介護福祉士と看護師の候補者
経済連携協定に基づく外国人看護師候補者・介護福祉士候補者の受入れ(厚生労働省)

介護関連用語

技能実習適正化法
日本に在留している外国人が講習やOJTなどの実習を通して、日本の介護施設で働きながら介護技術を習得できる。
なお、介護業界に限らず他の産業でも広く受け入れている。
技能実習法による新しい技能実習制度について(法務省)
改正入管難民法
介護施設などで働く外国人労働者の受入れを図るために、外国人労働者のうち介護福祉士の国家資格を取得した外国人に対して新たな在留資格を設ける。
出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案(法務省)
外国人技能実習制度
技能実習適正化法を制度化したもので、介護業界においても積極的に外国人労働者を受け入れていくこととしている。
技能実習制度(厚生労働省)
外国人技能実習制度への介護職種の追加について(厚生労働省)

介護業界の人手不足

現在の介護業界は介護従事者の人手不足という大きな問題を抱えています。
2025年において、介護従事者の人数は215万人と見込まれていますが、実際必要な人数として253万人という試算がされており、2025年に介護人材は37.7万人も足りない計算です。

その37.7万人をどのように補うのか。
最近では、外国人労働者の受け入れによって、人で不足を補おうとする動きがあるようです。
外国人労働者の受け入れ以外にも様々な対策が講じられているようですが、今回は外国人労働者の受け入れで37.7万人を補うことができるのかを考えてみました。
結論としては、外国人労働者だけで37.7万人を補うのはかなり無理があるように思います

外国人技能実習制度

昨年、技能実習適正化法改正入管難民法という法律が成立して、今後は外国人技能実習制度で介護分野への実習生受け入れが可能になり、さらに入管難民法の在留資格に「介護」が追加されることになりました。
これにより、介護業界で働く外国人の大幅増加が見込まれます。
介護現場の人手不足に外国人労働者を雇用することはメリット、デメリット双方考えられます。

外国人労働者受け入れのメリット

外国人労働者を受け入れるメリットは当然、人手不足の解消になります。
2025年問題が叫ばれていますが、人手不足はもう既に始まっている問題です。

地域によって人手不足の度合いが異なりますが、より深刻な地域では早急な対策が必要になります。
在留外国人が比較的多い地域では、介護人材不足のなか既に外国人労働者を歓迎する動きもあるようで、人手不足に悩む介護施設側の期待は大きいはずです。

外国人労働者受け入れのデメリット

一方デメリットとしては、一般的に外国人労働者は日本人労働者より安価な労働力として考えられるため、介護の質の低下や日本人労働者の処遇低下につながる危険性も考えられます。
現時点で介護職員の質の低下や低賃金が大きな社会問題となっており、それが人材不足の原因の一つにもなっているので、外国人労働者を増やしすぎると悪循環に陥るという懸念も叫ばれています。

外国人労働者の受け入れだけでは全く足りない

メリットとデメリットを双方バランスよく考慮して対応して介護人材の不足を解消していくことになると思いますが、重要なことは2025年に足りない人材は37.7万人です。

外国人技能実習制度で今後の外国人受け入れ人数は増え、介護人材も増えることが考えられますが、37.7万人すべてを外国人で補うのは無理があるように思います。
外国人労働者の受入れは経済連携協定(EPA)という他国との協定で行っています。
現在、日本はインドネシア、フィリピン、ベトナムの3つの国と協定を結んでいて、平成20年から平成28年の9年間で合計約3,800人の介護福祉士や看護師の候補者を受け入れています。
9年後の2025年に足りないのは37.7万人なので、まったく足りないのです。
では、その分もっと受け入れる人数を増やせばいい、と考えれば済むかもしれませんがそう簡単な話ではないようです。
そもそも現時点での年間に受け入れる外国人労働者の一国あたりの上限は介護福祉候補者が最大で300人で、看護師候補者は最大で200人となっています。
この300人という数は日本の労働市場に悪影響を及ぼさないようにする観点から上限が設定されています。
つまり、上記のデメリットでも書いた通り、外国人労働者を増やしすぎると悪影響があるという前提ので受け入れ人数の上限を設定した上で協定を結んでいることになります。

今後も現状のままインドネシア、フィリピン、ベトナム3つの国から300人ずつであれば、9年後に補える介護福祉士の人数は8,100人で看護師は5,400人程度に過ぎません。
EPAを結ぶ国を増やしたり受け入れ人数を増やすことでさらに増やすことはできますが、37.7万人を補うのはかなり無理があります。

外国人労働者の受け入れによってある程度の人手不足を解消することはできると思いますが、それ以外の対策も早急に講じていかないと37.7万人という数字を補うことはできません。
最近では、介護ロボットの活用も注目されているようですが、まだまだ実用化されるには時間がかかるのではないでしょうか。今後はもっと介護ロボットが注目され、実用化の後押しになることを期待したいです。
介護ロボットに関しては別のブログで書きたいと思います。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントを残す

*