低賃金

介護施設のための補助金・助成金(介護労働者雇⽤管理制度助成コース)

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介護労働者雇⽤管理制度助成コース

一石二鳥の助成金制度

前回の記事「介護施設のための補助金・助成金(介護福祉機器助成コース)」で介護福祉機器の導入によって支給される職場定着支援助成金の介護福祉機器助成コースについて紹介しました。
今回は同じく職場定着支援助成金のもう一つの助成金制度である介護労働者雇⽤管理制度助成コースについて紹介します。

職場定着支援助成金はから一部制度が変更されております。
詳しくは厚生労働省のホームページ、または職場定着支援助成金(雇用管理制度助成コース・介護福祉機器助成コース・保育労働者雇用管理制度助成コース・介護労働者雇用管理制度助成コース)のご案内をご覧下さい。

介護データ・用語定義

この記事の中で扱う数字や用語の説明です。

介護データ

230万円
介護労働者雇用管理制度助成コースにおいて支給される助成金の上限金額(制度整備助成+目標達成助成(第1回)+目標達成助成(第2回))
職場定着支援助成金(雇用管理制度助成コース、介護福祉機器助成コース、保育労働者雇用管理制度助成コース、介護労働者雇用管理制度助成コース)(厚生労働省)

介護労働者雇用管理制度助成コースとは

介護労働者雇用管理制度助成コースとは、介護雇用管理制度助成という名称で元々あった助成金制度で、現在は厚生労働省が給付する職場定着支援助成金のうちの一つに位置づけられています。
その名の通り、介護労働者の雇用の促進や定着を目的としている助成金制度です。
この介護労働者雇用管理制度助成コースの助成金受給対象となるのは賃⾦制度の整備を実施した介護事業者であり、介護労働者の賃⾦制度の改善と適切な運用を目的としていることが(うかが)えます。

助成⾦の対象となる賃⾦制度とは、保育/介護労働者の職場への定着を促進するために、職務、職責、職能、資格、勤続年数等に応じて階層的に定めるもの(⼀労働者に対して単一の額を定めるものを除く。)をいいます。

職場定着支援助成金(雇用管理制度助成コース・介護福祉機器助成コース・保育労働者雇用管理制度助成コース・介護労働者雇用管理制度助成コース)のご案内(厚生労働省)
なお、保育の分野においても同様に保育労働者雇⽤管理制度助成コースという助成金制度が設けられており、介護業界とともに保育業界においても賃金制度の改善が期待されています。

助成金の支給

介護労働者雇用管理制度助成コースの助成金支給までの流れは次のようになります。
賃金制度の整備の計画ををして、賃金制度の適切な改善と運用をすることが必要になります。

  1. 介護賃⾦制度整備計画の作成・提出
  2. 認定を受けた介護賃⾦制度整備計画に基づく賃⾦制度の整備
  3. 賃⾦制度の実施
  4. 制度整備助成の支給申請(計画期間終了後2か⽉以内)
  5. 目標達成助成(第1回)の支給申請(第1回算定期間(計画期間終了後12か月間)終了後2か月以内)
  6. 目標達成助成(第2回)の支給申請(第2回算定期間(第1回算定期間終了後24か月間)終了後2か月以内)
  7. 助成⾦の⽀給

計画期間は3ヶ月以上1年以内とされており、助成金は計画終了後の制度整備助成、計画終了後1年後の第1回目標達成助成とさらに2年後となる第2回目標達成助成の計3回の支給に分かれており、助成金は最高で230万円支給されます。

助成制度 支給額
制度整備助成 50万円
目標達成助成(第1回) 57万円
生産性要件を満たした場合72万円
目標達成助成(第2回) 85.5万円
生産性要件を満たした場合108万円
助成金の支給額

生産性要件とは、助成金支給に対する取組みの実施において、その取組みのなかで生産性を向上させた介護施設に対してその助成額または助成率を割増するための要件です。
生産性を向上させた企業は労働関係助成金が割増されます(厚生労働省)

制度整備助成

介護賃金制度整備計画を作成し、実施期間内に賃金制度を整備・実施することで、50万円の助成金が支給されます。
具体的な目標はないようですが、その名の通り賃金制度の整備に対する助成金という位置付けと考えられます。
ただし、整備後の賃金が整備前より低下していてはいけません。

目標達成助成(第1回)

第1回目の目標達成助成は制度整備助成での賃金制度の整備を実施したうえで離職率を低下させることが必要です。
賃金制度整備の計画期間の終了から1年経過するまでの期間の離職率が賃金制度整備の計画を提出する前の1年間の離職率よりも低下させなければなりません。
低下させる離職率としては次のようになります。

雇用保険一般被保険者の人数 低下させる離職率
1~9人 15%
10~29人 10%
30~99人 7%
100~299人 5%
300人以上 3%

なお、条件となる離職率の上限は30%であり、低下させる離職率をクリアしたとしても離職率が30%以上の場合は支給されません。

目標達成助成(第2回)

第2回目の目標達成助成であり、第1回目の目標達成助成を実施後、継続して賃金制度を維持することが求められます。
第1回目の目標達成助成時の離職率を維持して、かつ離職率が20%以下であれば助成金が支給されます。

計画書や申請書は厚生労働省のホームページからダウンロードできます。
職場定着支援助成金(個別企業向け)各様式ダウンロード(厚生労働省)

賃金制度の改善で介護職員処遇改善加算も取得

雇用管理制度助成コースによる賃金制度の改善は、介護職員処遇改善加算における要件に重複している部分も見受けられます。
介護職員処遇改善加算による賃上げで人手不足の解消への記事でも書いていますが、介護職員処遇改善加算におけるキャリアパス要件1は次のように定められています。

次に掲げる要件の全てに適合すること。

  • 介護職員の任用の際における職位、職責又は職務内容等に応じた任用等の要件(賃金に関するものを含む)を定めていること。
  • アに掲げる職位、職責又は職務内容等に応じた賃金体系(一時金等の臨時的に支払われるものを除く。)について定めていること。
  • ア及びイの内容について就業規則等の明確な根拠規定を書面で整備し、全ての介護職員に周知していること。

介護労働者雇用管理制度助成コースでの賃金制度の改善は、介護職員処遇改善加算における賃金体系の改善にもつながります
つまり、賃金制度を改善は補助金の支給と処遇改善加算の取得という一石二鳥の役割を持っていると言えるのではないでしょうか。

雇用管理制度助成コースは介護労働者の賃金制度の設定や改善によって雇用を促進、定着させるための助成金です。
つまり、雇用の安定ひいては人手不足の解消には労働者の賃金制度が大きく影響していると言えます。
介護業界の人手不足の解消には、介護福祉機器や介護ロボットの導入も必要ですが、大前提として介護労働者の賃金改善が必要不可欠と考えられます。

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