低賃金

介護関連資格の合格率

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介護関連資格の合格率

介護関連の資格取得は年々難しくなっている

以前、介護士と看護師における賃金格差の記事で、介護士と看護師の世代間における賃金差について調査して介護士は年功序列の傾向が低く年齢差による賃金の格差が少ないという結果から、年齢や勤続年数によって介護職員の賃金がそれほど上がるわけではないことがわかりました。
また、基本給自体が低いため資格取得による職務手当を加算しても看護師との賃金格差に大きな差がありました。
今回は介護関連の資格について調べてみました。

介護データ・用語定義

この記事の中で扱う数字や用語の説明です。

介護データ

57.9%
2016年に実施された介護福祉士国家試験の合格率
第28回介護福祉士国家試験合格発表(厚生労働省)
26.2%
2016年に実施された社会福祉士国家試験の合格率
第28回社会福祉士国家試験合格発表(厚生労働省)
13.1%
2016年に実施されたケアマネージャー試験の合格率
第19回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について(厚生労働省)

介護関連の資格

介護施設で働く介護職員には介護関連の資格を取得している方がたくさんいます。
資格を取得していると資格手当等や就職や転職の際に有利になるなどのメリットがあります。
介護関連の主な資格として次のような資格が挙げられます。

  • 介護職員初任者研修
  • 介護職員実務者研修
  • 介護福祉士
  • 社会福祉士
  • ケアマネジャー(介護支援専門員)

介護職員初任者研修

介護職員初任者研修は旧ホームヘルパー2級にあたる資格で、訪問介護事業に従事している方やこれから介護の業務に従事しようとする方などが対象となっている介護業界における基礎的な研修です。
厚生労働省が検討している介護人材のキャリアパスにおいても、この介護職員初任者研修がキャリアの第一歩と位置づけられています。
介護職員初任者研修(厚生労働省)

130時間の講義や演習形式の研修をして最後に筆記試験に合格すれば資格取得となります。
介護資格学校により合格率が異なりますが、正確な数字は公表されておりません。

介護職員実務者研修

介護職員実務者研修は旧介護職員基礎研修という資格にあたるもので、介護職員初任者研修の上位資格とも言える資格です。
介護職員初任者研修と同様に研修を受講する形式で、6か月以上で450時間と長期間の研修が必要になります。介護職員初任者研修を修了している方は320時間です。
全過程終了後に筆記試験と実技試験がありますが、介護職員実務者研修についても正確な数字は公表されていません。

この資格を取得することにより、訪問介護サービスにおいてご利用者やケアマネージャーとの調整等を行うサービス提供責任者になることができます。
また、もう一つ上の資格である介護福祉士の受験資格にもなります。

介護福祉士

介護福祉士の資格は国家資格になります。
介護職員初任者研修や介護職員実務者研修は介護福祉士の前段階の研修ですが、研修や試験は民間企業によって運営されています。
介護福祉士になるための条件として、主に次のことが挙げられます。

  • 実務経験3年以上
  • 介護職員実務者研修の修了
  • 介護福祉士国家試験の合格

介護職員初任者研修や介護職員実務者研修では実務経験は必要ありませんが、介護福祉士は実務経験も求められます。
2017年(平成28年度)の試験からは介護職員実務者研修の修了が必要となり、資格取得が厳格化されたと言えます。
厚生労働省の発表によると、2016年の試験では受験者数が152,573人でそのうち合格者は88,300人となり、合格率は57.9%でした。
近年の合格率は次の通りです。

年度 受験者数 合格者数 合格率
2012 137,961 88,190 63.9
2013 136,375 87,797 64.4
2014 154,390 99,689 64.6
2015 153,808 93,760 61.0
2016 152,573 88,300 57.9

第28回介護福祉士国家試験合格発表(厚生労働省)
以前は50%前後の合格率が多かったので、近年は合格しやすくなっていると言えます。

社会福祉士

介護福祉士と同じく国家資格になります。
受験資格を得るために主に次のいずれかが条件となります。

  1. 福祉系の4年制大学で指定科目を履修する
  2. 福祉系の短大で指定科目を履修して実務を1〜2年経験する
  3. 一般の4年制大学を卒業後、一般養成施設を卒業した方
  4. 一般の短期大学を卒業後、指定施設で1~2年以上実務経験を積み、一般養成施設を卒業した方

2016年は受験者数が44,764人で合格者数が11,735人となっており、合格率は26.2%です。
近年の合格率は次の通りです。

年度 受験者数 合格者数 合格率
2012 42,882 11,282 26.3
2013 42,841 8,058 18.8
2014 45,578 12,540 27.5
2015 45,187 12,181 27.0
2016 44,764 11,735 26.2

第28回社会福祉士国家試験合格発表(厚生労働省)
だいたい20%台を推移しており、介護福祉士よりも専門的で難易度が高いことがうかがえます。

ケアマネジャー(介護支援専門員)

ケアマネージャーの受験資格には特定の国家資格所持者、相談援助業務の従事経験者、介護等の業務の従事経験者などがありそれぞれ実務経験が必要になります。
なお、2018年からこの受験資格の要件が厳格化され実務経験の年数が増えるとされています。
2016年の受験者数は124,585人で合格者数は16,280人となっており、合格率は13.1%です。
ケアマネージャー試験が開始された平成10年には44.1%の合格率でしたが、ケアマネージャーの試験は年々合格率が低くなっている傾向にあり、資格取得の難易度が高くなっていると言えます。
第19回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について(厚生労働省)

ケアマネージャーについては次の2つの点で介護業界における各種資格は年々難しくなっていると言えます

  • 合格率が低くなっているため、試験の難易度が上がっている。
  • 今後は受験資格が厳格化されるため、資格取得自体も難しくなる。

ケアマネージャーは要介護者と介護施設を繋ぐ重要な役割を担っていますが、現状ではケアマネージャーが増えづらい状況であることが(うかが)えます。

年齢や勤続年数によって賃金がそれほど上がるわけではないので、基本給のベースアップや資格取得によって賃金アップを期待するほかありません。
そのためには、資格試験の難易度を下げたり受験資格の要件を緩和することも一つの手段と言えるのではないでしょうか。

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