人手不足

介護業界以外も人手不足(2)

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人手不足

介護業界よりも賃金の高い他の業界に人材が流れてしまう

現在の介護業界は人手不足という深刻な問題を抱えています。
この問題は今後さらに大きくなっていくと予想されており、早急な対策が求められています。
しかし、以前の記事(介護業界以外も人手不足)で述べたように、現在は介護業界以外の業界も人手不足であり、賃金の低い介護業界には相対的に人が集まりづらい状況にあると考えられます。
今回は、各業界における従業員の未充足求人数と欠員率の観点から介護業界の人手不足の状況を考えてみます。

介護データ・用語定義

この記事の中で扱う数字や用語の説明です。

介護データ

6万1,600人
時点での介護業界における未充足求人数
平成27年雇用動向調査結果の概要(厚生労働省)
2.3%
時点での介護業界における欠員率
平成27年雇用動向調査結果の概要(厚生労働省)

介護関連用語

未充足求人数
事業所において、仕事があるにもかかわらず、その仕事に従事する人がいない状態を補充するために行っている求人のこと。
欠員率
在籍労働者数に対する未充足求人数の割合のこと。

職業別人手不足の状況

介護業界は様々な点から人手不足が叫ばれ続けていて、今後はさらに人手不足の状況が悪化すると予想されています。
この人手不足を解決することは介護業界において喫緊の課題となっております。

業界別未充足求人数

まず、介護業界とその他の業界における未充足求人数を比較してみます。
厚生労働省が実施している雇用動向調査の結果によると、時点での介護業界における未充足求人数は、6万1,600人となっています。
介護業界が人手不足であるという状況が(うかが)えます。

しかし、同調査結果によると介護業界よりも未充足求人数が多い業界としては次のとおりです。

業界 未充足求人数
宿泊業
飲食サービス業
20万300人
小売業 16万6,800人
製造業 9万9,200人
運輸業
郵便業
9万8,200人
建設業 7万8,000人
介護業 6万1,600人
職業別未充足求人数

介護業界以外も人手不足の記事での日本商工会議所の人手不足に関する調査においても、宿泊・飲食業と運輸業が人手不足である企業が多い結果でした。
今回の厚生労働省の調査結果においても同様に、宿泊業・飲食サービス業と運輸業・郵便業などが人手不足な状況であると言えます。
最も未充足求人数が多い宿泊業・飲食サービス業は介護業界より3倍以上も多い状況で、介護業界以外に人材が流れてしまう傾向が強くなると考えられます。

業界別欠員率

次に介護業界と他業界それぞれの欠員率を比較して人手不足の状況をみてみます。
未充足求人数と同じく厚生労働省が実施している雇用動向調査の結果によると、時点での介護業界における従業員の欠員率は、2.3%となっています。
全産業合計でみると2.1%となっているので、介護業界の欠員率は平均よりも高い数字となっています。
介護業界よりも欠員率が高い業界としては次のとおりです。

業界 欠員率
窯業
土石製品製造業
6.3%
宿泊業
飲食サービス業
4.6%
運輸業
郵便業
3.0%
小売業 2.9%
建設業 2.8%
食料品飲料・たばこ
飼料製造業
2.5%
不動産業
物品賃貸業
2.3%
生活関連サービス業
娯楽業
2.3%
介護業 2.3%
職業別欠員率

同調査の未充足求人数との比較結果と同様に「宿泊業・飲食サービス業」「小売業」「建設業」「運輸業・郵便業」が介護業界よりも欠員率が高い結果となっています。

悪化する人手不足の状況

上記の未充足求人数と欠員率はの結果ですが、その1年前にあたるの同結果と比べることで一年間で未充足求人数と欠員率のそれぞれがどの程度変動したのかをみてみます。
これにより、人手不足の状況がどのくらい改善、または悪化したのかを把握することができます。

の介護業界の未充足求人数と欠員率がそれぞれ6万1,600人と2.3%だったのに対し、では未充足求人数が3万4,000人、欠員率が1.2%とでした。
未充足求人数と欠員率ともに1年間で2倍近く増加している結果から、介護業界は急速に人手不足の状況が悪化していることがわかります

しかし、介護業界を含む全産業でみても同期間で未充足求人数と欠員率ともに増加している結果となっています。
での全産業の未充足求人数が101万2,800人だったのに対し、では82万3,800人だったので、一年間で約30万人増えています。
欠員率についても、では2.1%、では1.8%という結果でした。

介護業界を含め全産業で人手不足の状況が年々悪化しています。
早急に介護職員等の人材を集める対策を実施する必要がありますが、介護以外の業界がさらに人手不足なために人材が集まりづらい状況が続くと予想されます。
他業界よりも人材を集めるために、第一に介護職員処遇改善加算などによって他業界より賃金を上げる低賃金問題の解決が期待されます。

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